今月の主題 脳血管障害のトピックス
新しい検査法
脳血管障害とMR-CT
町田 徹
1
Tohru Machida
1
1東京大学医学部・放射線科
pp.1936-1943
発行日 1984年11月10日
Published Date 1984/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219296
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MR-CTがわが国に導入され,常電導型,超電導型の装置が稼動しているが,未だ十分な症例の蓄積がなされたとは言い難い.またMR-CTは日進月歩の分野であり,諸家の報告も数多く見られるが,特定疾患についての詳細な報告はほとんどないのが現状である.一方,脳血管障害のとくに急性期の患者は,種々の点滴やモニター,酸素吸入,respiratorなどの準備が不可欠であり,金属(強磁性体)類を持ち込めないMR-CTの室内にこのような患者を搬入し,1時間以上も検査を行うことは非常に困難なことである.したがって,MR-CTを施行している対象は脳血管障害例といっても陳旧性のもの,あるいは症状の軽度なものに限定せざるをえない.このようにごく限られた症例ではあるが,脳血管障害のMR-CTによる経験を述べ,MR-CTの有用性,X線CTとの比較,将来の展望などについて症例を供覧しつつ述べてゆきたい.
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