特集 眼科基本診療Update—私はこうしている
救急処置の実際
緑内障急性発作に対する処置
近藤 武久
1
1神戸市立中央市民病院眼科
pp.357-360
発行日 2000年10月30日
Published Date 2000/10/30
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1410907111
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
緑内障の発作を起こしやすい状態としては,劇場や映画館で長時間暗所にとどまっているときや,また長時間の近業などが続いているときが多いとされている。その他,精神的な感動や感冒薬の服用などもトリガーとなる1,2)。
発作には,急激な大発作から極めて緩慢な小発作まで,いろいろな段階がある。したがって緩慢なタイプでは,あまり自覚症状も強くなくて自然寛解を繰り返して経過しているような例もある。急性の大発作では,自覚症状も激烈であり迅速な処置が求められる3)。
診断は臨床症状と細隙灯観察所見,隅角鏡所見,眼圧値などで診断は確定されるが,発症メカニズムの解析,的確な治療方針の決定には超音波生体顕微鏡検査(ultrasound biomicroscopy:UBM)は欠かせないところである4)。
Copyright © 2000, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.