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HTCA(Human tumor clonogenic assay)による抗癌剤感受性テストの現況
西條 長宏
1
,
星 昭夫
2
Nagahiro Saijo
1
,
Akio Hoshi
2
1国立がんセンター病院・内科
2国立がんセンター研究所・薬効試験部
pp.1634-1643
発行日 1984年9月10日
Published Date 1984/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219224
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早期発見,早期治療の努力にもかかわらず,『がん』による死亡は増加の一途をたどり,死亡率の1位を占めるに至っている.この事実は局所療法(手術療法,放射線療法)の限界を示すとともに,今後は全身療法としての化学療法の成否が,癌全体の治療成績を左右することになると示唆している.現在の癌化学療法は,多数の症例を対象とした臨床研究に基づいた医師の経験により行われている.しかし大多数の腫瘍に対する化学療法の有効率はきわめて低い現状である.一般的には化学療法が開始され,無効とわかれば中止されることが多い.これは時間の無駄であるとともに,患者は抗癌剤による副作用のみを経験することになる.さらに臨床の経験によると,初回化学療法が無効な場合,次の化学療法の有効率はきわめて低いことが知られている13).したがって,有効な抗癌剤および効果のない抗癌剤の種類を投与前に明確にすることはきわめて重要である.この目的で化学療法の臨床効果を予言するためさまざまなinvitroおよびin vivo testの研究が展開されてきた.
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