今月の主題 癌治療の最前線
化学療法
新抗癌剤臨床研究の現況
小川 一誠
1
Makoto Ogawa
1
1癌研究会癌化学療法センター・臨床部
pp.1002-1003
発行日 1982年6月10日
Published Date 1982/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217783
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現在の新抗癌剤開発の主な方向は,現存する抗癌剤の利点,すなわち有効性をより高め,一方において欠点,すなわち毒性をより少なくした類縁化合物の研究である.この場合新しい化合物が合成されると,そのもとの抗癌剤と有効性,毒性が動物実験で比較検討され,より優る結果が見出されたときに臨床研究へと導入される.また数少ないけれども従来の抗癌剤とまったく異なる性質をもつ薬剤も研究されている.本稿では,phase I,II studyの段階にある新しい抗癌剤の現況を解説する.なお誌面の限定があり,本邦で研究されている薬剤および近い将来に研究されるであろう薬剤を中心に記述したい.
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