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特集 癌肝転移の治療戦略
胃癌肝転移化学療法における抗癌剤感受性試験
Chemosensitivity test in the cancer chemotherapy for hepatic metastasis of gastric cancer
久保田 哲朗
1
Kubota Tetsuro
1
1慶應義塾大学医学部外科
キーワード:
胃癌
,
肝転移
,
抗癌剤感受性試験
,
臨床効果
,
生存転帰
Keyword:
胃癌
,
肝転移
,
抗癌剤感受性試験
,
臨床効果
,
生存転帰
pp.789-792
発行日 2003年6月20日
Published Date 2003/6/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1407101417
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胃癌肝転移症例50症例を対象として生存転帰に与える腫瘍側・治療側因子について検討を加えた.腫瘍側因子では原発巣の組織型,肝転移度は生存転帰に影響を与えなかったが,腹膜播種の併存症例の生存期間は不良であった.治療側因子では胃原発巣切除可能であった症例は切除不能症例に比べて推計学的に有意に良好(p<0.005)な生存転帰を示した.50症例中抗癌剤感受性試験が施行されたのは15症例であった.抗癌剤感受性試験で有効と判定された薬剤が投与された症例9例中2例のCR,2例のPR効果が得られ,真陽性率は44%,真陰性率は100%,正診率は66.7%であった.適応抗癌剤が投与された適応群の平均生存期間(364日)は非適応群の平均生存期間(134日)よりも推計学的に有意に良好(p<0.01)であったが,リザーバー挿入の有無は生存転帰に影響を与えなかった.胃癌肝転移切除不能症例に対しては原発巣の感受性試験に基づいた化学療法が局所の制御および生存期間の延長に有用と考えられた.
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