洋書紹介
—R. S. Blacklow 編—MacBryde's Signs and Symptoms(第6版)/—R. G. Petersdorf 他編—Harrison's Principles of lnternal Medicine(10th ed.)
小宮 正文
1
,
黒川 清
2
1筑波大学臨床医学系内科
2東京大学医学部内科
pp.1342-1343
発行日 1984年7月10日
Published Date 1984/7/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219154
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症状・徴候から整理された内科書
"MacBryde's Signs and Symptoms"が,RS. Blacklowを編者として,Lippincott出版社から刊行された.本書は,C. M. MacBrydeとR. S. Blacklowが刊行してきたSings and Symptomsの第VI版に相当するが,1973年にC. M. MacBrydeが死去されたため,その名誉を記念して"MacBryde's"の言葉が冠されている.第V版が刊行されたのは1970年であるから,13年目の改版になっている.
患者が医師を訪れるのは,なんらかの症状を訴えてのことであるのが通常である.患者の訴える個々の症状が,おのおの特定の1個の疾患に結びつけば,症状すなわち疾病ということになって診断学も容易である.しかし,種々の疾患が同一の,あるいは類似した症状を結果するので,医師は患者の訴える症状と患者が示す理学的所見を総合して,たくさんある疾患の中から,患者の持っている疾患を正確に把握しなければならない.それには科学的に整理された知識を身につけていることが不可欠であるという見識が,初版以来の本書の基礎になっているように思われる.この見識が第Ⅵ版で具体的にどのような形で反映されているかということを,第20章チアノーゼ,第27章出血素因,第28章貧血,虚弱,蒼白を読んで検討してみた.
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