プライマリ・ケア プライマリ・ケアに必要な初期臨床研修とその現状・3
臨床研修病院の現状
藤井 幹久
1
,
箕輪 良行
2
,
坂本 健一
3
,
荒川 洋一
4
,
鈴木 俊一
5
,
坂田 清美
6
,
吉新 通康
7
,
細田 瑳一
8
1岡山県大原町国保病院
2東京都三宅島阿古診療所
3兵庫県淡路島灘診療所
4福島県立田島病院
5宮崎県環境衛生部医務薬務課
6青森県立中央病院
7自治医科大学地域医療学
8自治医科大学循環器内科
pp.724-729
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402219007
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はじめに
昭和43年にインターン制が廃止され,同年7月16日に"卒後2年間研修指定病院で研修する"という医師研修制度が発足した.しかし,これは義務化されておらず,多くの医師は大学病院で単科研修を行ってきた.
昭和50年代に入り,医科大学の新設による卒業生数の増加によって研修医の数が増えたことから,大学以外の研修病院で卒後研修をする医師が徐々に増加してきた1).これと平行して,専門単科研修医師の増加が問題視されはじめ,厚生省医師研修審議会より昭和48年12月に,プライマリ・ケア(以下PCと略す)を中心とするローテーション方式の卒後研修の必要性をうたった建議書が出され,PCのための臨床能力を修得しようという傾向が徐々に強まってきた1).そこで,症例数の多い臨床研修病院の一部でローテート研修のカリキュラムが組まれ,PCの系統だった研修が少しずつ可能となってきた.本稿では1970年吉岡昭正らによって報告された研修病院の調査結果と最近われわれの行った調査を対比して,その間の研修病院の変化と今後の問題について考えたい.
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