プライマリ・ケア プライマリ・ケアに必要な初期臨床研修とその現状・1
自治医科大学卒業生の初期臨床研修とアメリカの家庭医
箕輪 良行
1
,
坂本 健一
2
,
荒川 洋一
3
,
藤井 幹久
4
,
鈴木 俊一
5
,
吉新 通康
6
,
細田 瑳一
7
1東京都三宅村阿古診療所
2兵庫県淡路島灘診療所
3福島県立田島病院
4岡山県大原町国保病院
5宮崎県環境衛生部医務薬務課
6自治医科大学地域医療学
7自治医科大学循環器内科
pp.377-381
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218921
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
自治医科大学卒業生にとってプライマリケア(PCと略す)のための研修とは次のように考えられる.卒業して3,4年目に,医者単身勤務の地域の診療所へ勤めるとしたら,卒後初期にどうしても内科を基盤にして小児科,産婦人科,外科,整形外科,皮膚科などの基本的診療技能を身につけなければならない.そのためには症例数が多く,良い指導医がいて"どんどん経験を積める"病院で腕を磨く必要がある.そのような病院は地域に根ざした中心的な病院であって,住民から信頼されていて定評のあるところである.将来のことについても考えると,初期研修中に自分が将来選択しようと考えている診療科を比較的長くしたローテート研修を行うのがよい.
以上のような内容は自治医大卒業生の義務年限と各都府県の地域のニードと配置の実情という切羽詰まった立場から自然にできたものであるが,PCは本来もっと豊かな内容を持つ医療形態であり,筆者らが誤解しているわけではない1).現在,日本で試みられているPC医師養成の方法(ローテート型研修,総合診療棟研修2),救急医療施設での研修重視3)など)のひとつとして,自治医科大学卒業生の経験を紹介したい.
Copyright © 1984, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.