今月の主題 気管支喘息—病態から治療まで
病態へのアプローチ
気管支粘膜生検
須藤 守夫
1,3
,
毛利 英満
2
,
小室 淳
3
,
冨地 信和
4
Morio Sudo
1,3
,
Hidemitsu Mohri
2
,
Atsushi Komuro
3
,
Nobukazu Tomichi
4
1友愛病院
2友愛病院・呼吸器・アレルギー科
3岩手医科大学・第3内科
4岩手医科大学・第1病理
pp.604-606
発行日 1984年4月10日
Published Date 1984/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218981
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気管支喘息は,気道の過敏性と可逆性の気道閉塞(発作性呼吸困難)の二面から定義される機能的要素の強い疾患である.したがって,気管支喘息の診断は発作(可逆性発作性呼吸困難)を確認することが必要である.日常の診療では,発作時に気管支拡張剤を投与して発作が改善すれば喘息と考えてよいが,アセチルコリンなどによる吸入誘発試験を行えば,より確実である.
このような機能的で可逆性の疾患を形態学的に把握することは困難であり,内視鏡所見,病理所見(剖検例)も発作との関連でとらえていくことが大切である.生検所見は気管支のごく一部の所見をとらえるのみであり,気管支喘息の診断的意義があるかどうかは,まだ検討の余地がある.筆者らは気管支喘息の内視鏡所見,病理所見(剖検例)を紹介し,さらにそれらと生検所見とを比較検討した.
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