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ベッドサイド 臨床医のための臨床薬理学マニュアル
テオフィリン
Theophylline
辻本 豪三
1
,
越前 宏俊
2
,
石崎 高志
3
1スタンフォード大学
2ボン大学
3国立病院医療センター
pp.347-352
発行日 1984年2月10日
Published Date 1984/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218915
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まとめ
テオフィリンは主として急性可逆性気道閉塞("喘息")治療,また,うっ血性心不全や急性肺水腫の付加的治療に,さらに,最近では新生児の無呼吸(apnea)治療に用いられる.この薬剤使用によるbenefitとriskとは血中濃度(即ち,投与量と各人の排泄能により規定される)と相関することが証明されている.そのため急性症状治療の際,急速な気管支拡張効果を得るためには薬物分布容量(Vd)の平均値に基づく急速付加量(loading dose,LD)が必要とされる.また,急速付加に続く維持治療の際には,各患者間での排泄能が大きく異なることから,steady-stateでの維持血中濃度が,多くの場合10〜20μg/mlの治療域となるような持続点滴によるテオフィリン投与速度(mg/ml)または維持経口投与量(maintenance dose;MD)の決定と,血中濃度モニタリングによる当初の投与計画の修正が必要とされる.溶液の静注,経口,経直腸投与ならびに裸錠の投与は急性期治療に適切である.一方,最近開発の進んでいる十分吸収のよい徐放製剤は,特にテオフィリン排泄が高く半減期(t1/2)が矩かいために有効血中濃度を維持するために頻回に(3〜4時間おきに)テオフィリンを服用しなければならない患者の長期治療に便利である.
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