グラフ 臨床医のための電顕写真
肝臓・4
アルコール性肝障害の肝電顕像
谷川 久一
1
,
向坂 彰太郎
1
Kyuichi Tanikawa
1
,
Shotaro Sakisaka
1
1久留米大学医学部・第2内科
pp.2784-2787
発行日 1983年12月10日
Published Date 1983/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218824
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近年,本邦でもアルコール消費の増加にともなって,アルコール性肝障害が増加している.
アルコール多飲にもとづく肝障害は,一般にアルコール性脂肪肝,肝線維症,アルコール性肝炎,アルコール性肝硬変などに分けられるが,アルコール性肝障害に特有な光顕所見としては,肝細胞のballoon化,eosinで赤く円形に染まってみられる肝細胞内の巨大ミトコンドリア,アルコール性肝炎にみられるアルコール硝子体の出現,肝細胞周辺のpericellular fibrosis,中心静脈を中心とした線維化であるcentral sclerosisなどであり,肝硬変は一般にmicronodularcirrhosisとしてみられるのが普通である.これらの特徴を電顕的に観察してみると次のごとくなる.
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