臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
X.内分泌疾患
新しい薬剤とその使い方
211.DDAVP
斉藤 寿一
1
Toshikazu Saito
1
1自治医科大学・内分泌代謝科
pp.2566-2567
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218752
- 有料閲覧
- 文献概要
症例
25歳,女子,3年前,突然に多尿を来たし,強い口渇を訴え多飲が持続するようになった.1日の尿量も8,000〜10,000mlに及び,精査加療のために入院した.水制限試験により,体重が3%減少した時点での尿浸透圧は75mOsm/Lと低値にとどまり,また高張食塩水負荷試験における尿浸透圧は最高58mOsm/Lであった.ピトレッシン10U筋注によるピトレッシン感性試験により尿浸透圧は544mOsm/Lにまで上昇,尿崩症の診断が下された.
治療としてDDAVP(デスモプレシン)10μgの点鼻を1日2回,朝と夕に行うことにより,尿量は1日1,500ないし2,000mlへと減少した.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.