臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
VII.腎疾患
新しい治療法,新しい薬剤
144.慢性腎不全の経口吸着剤(AST120)の効果
小出 桂三
1
Keizo Koide
1
1国立王子病院・循環器科
pp.2408-2409
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218685
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慢性腎不全の治療における経口吸着剤療法の位置づけ
慢性腎不全患者の透析導入前の保存的療法の中心は食事療法と薬物療法である2).ここにおける薬物療法は,慢性腎不全の異常病態を是正するためのものである(例えば高血圧に降圧剤,浮腫,乏尿に利尿剤など).これらの保存的療法により慢性腎不全の異常病態を是正しえなくなり,尿毒症症状が出現すると透析療法が開始される.
最近の透析療法の目ざましい進歩は,透析療法の成績向上をもたらし,透析患者の長期生存を可能にしたが,しかし多くの慢性腎不全患者の心情として,透析療法をさけられるものならさけたい.透析療法がさけられない場合でも透析療法の開始を延ばせるだけ延ばしたいという強い願望がある.
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