臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
V.消化管・腹膜疾患
内科的治療の限界と手術のタイミング
99.アカラシア
上野 恒太郎
1
Kotaro Ueno
1
1山形大学医学部・第2内科
pp.2300-2301
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218640
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症例
45歳男性,農業.主訴は嚥下障害.
約1年前から,食後に胸骨後部のつかえ感と重苦感を訴えるようになり,食事量が減ってきた.このため某外科を訪れ,アカラシアと診断されて手術を受けた.術前の栄養状態は中等度で,軽度の貧血傾向はあったが,血清蛋白およびコレステロール値は正常,体重減少もなかった.Fundicpatch(Thal法)術後の食道の流通は術前に比しく著しく改善されたが(図1),手術の約1年後から食道下部の瘢痕性狭窄を来たし当科に来院中である.
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