臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
V.消化管・腹膜疾患
内科的治療の限界と手術のタイミング
98.食道静脈瘤
高瀬 靖広
1
,
折居 和雄
1
Yasuhiro Takase
1
,
Kazuo Orii
1
1筑波大学臨床医学系・外科
pp.2298-2299
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218639
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症例
女性45歳.肝硬変症を原疾患とする食道静脈瘤症例.食道静脈瘤出血にて緊急入院,急速輸血などの救命処置と併行してSengstaken-Blakemoretube(S-B tube)による圧迫止血を試みた.意識障害(-),血圧98/60mmHg,脈拍数108/分,呼吸数24/分,体温38.0℃,腹囲102cm,尿量20ml/分,T-Bi1 3.4mg/dl,CHO 91mg/dl,CHE O.24△PH,血中アンモニア66μg/dlであった.よってS-Btubeより胃内吸引・洗浄,ついで胃内ヘカナマィシン2g,ラクツロース30mgおよびグルマール®2g投与,また,ラシックス®1A,ソルダクトン®1A(100mg)を静注した.48時間後,持続的出血をみとめたので,injection sclerotherapyにより止血した.
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