臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
IV.循環器疾患
いつまで服用すべきか
86.心筋梗塞再発予防薬
石川 恭三
1
Kyozo Ishikawa
1
1杏林大学医学部・第2内科
pp.2268-2269
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218627
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症例
49歳男性.商事会社課長.
患者は昭和55年9月13日,子供と口論の後,突然,激しい前胸部痛が出現したため,本大学のCCUに入院して来た.心電図所見ならびに血清酵素値の上昇(peak値:CPK 1,400mIU,GOT 194mIU,LDH 1,175mIU)より急性前壁中隔梗塞と診断された.入院後の経過は順調で,心不全症状もなく,危険な不整脈の出現も認められなかった.しかし,CCU入院時に血圧が164/108mmHgと高値を示し,その後CCU在室期間(3日間)中ほぼ同じレベルの血圧を示したため,9月16日より,Propranolol(Inderal®)30mg/日の経口投与を開始した.Propranolol投与後の血圧はほぼ120〜140/80〜90mmHg近辺に保たれた.一般病棟転床後,リハビリテーションも順調に進み,10月22日退院となり,その後は外来にてfollow-upしている.本患者の梗塞発症前のCoronary riskfactorsとしては,肥満(+19%),高血圧,高脂血症,糖尿病(境界型),高尿酸血症,喫煙(40本/日)などが認められた.
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