臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
III.呼吸器疾患
薬物療法のポイント
46.抗結核剤の選択と終了の時期
鈴木 俊光
1
Toshimitsu Suzuki
1
1国立療養所中野病院・呼吸器科
pp.2174-2175
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218587
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症例
42歳主婦.昭和56年5月頃より咳痰出現し,6月息切れ,体重減少-10kg/2ヵ月に気づき,近医受診し,胸部X線像上肺結核症を疑われ,同年7月10日当病院に入院した.
入院時胸部X線像はbI3,ガフキー10号,培養3+であった.3日間連続検痰した後,SM 1g/日筋注,INH 0.3g/日経口,RFP 0.45g/日経口を開始した.1カ月後はガフキー9号まで検出,培養は2+,2カ月後,ガフキー6号まで検出し,培養は+9/2と順調に効果がみられたが,この時点で左自然気胸を併発した.しかし,安静療法にて1カ月で修復された.化療開始4カ月後には,ガフキーは4号までみられたが,培養は陰性となった.胸部X線像では浸潤影は著しく減少し,空洞壁は薄壁化し,ブラ様陰影と変化していった.
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