臨時増刊特集 問題となるケースの治療のポイント
I.感染症
感染症の新たな問題
21.リンパ節腫脹と感染症
中山 哲夫
1
Tetsuo Nakayama
1
1東京都済生会中央病院・小児科
pp.2110-2111
発行日 1983年12月1日
Published Date 1983/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218562
- 有料閲覧
- 文献概要
幼児,学童,成人と成長するにつれて,リンパ節腫脹の意義には差があるように思われる.小児においては,扁桃炎を含めた上気道感染症,皮膚感染症は,成人よりも頻度が多く,こうしたありふれた感染症によってもリンパ節腫脹を示すことがよく知られているが,この場合,著明なリンパ節腫脹と長期にわたる症例では注意が必要である.リンパ節は,機械的に,リンパ系から,細胞破壊物,細菌,その他異物を除去する作用を有するが,ウイルスに対してはその作用は効果的ではない.頸部,鼠径部などの表在性リンパ節腫脹は発見しやすいが,縦隔,腹部のリンパ節腫脹は,リンパ節腫脹によっておこる随伴症状に留意しなければならない.
Copyright © 1983, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.