今月の主題 各種病態における抗生物質の使い方
循環器疾患
心臓手術時の感染
井野 隆史
1
Takashi Ino
1
1三井記念病院・循環器外科
pp.1872-1873
発行日 1983年11月10日
Published Date 1983/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218503
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Clean手術といわれる心臓手術の術後にも,装着された人工弁の感染性心内膜炎(Prosthetic Valve Endocarditis:PVE)や菌血症,創感染,肺炎,尿路感染が発生し,しばしば難治性で死に至ることもあり,その予防がきわめて大切である.心臓手術の成績はここ数年飛躍的によくなり,手術死亡は4%前後となってきた.その進歩にともなって,いままでは手術適応でないとみなされていた重症心不全症例や高齢者が手術の対象となってきた.このような症例では術後の回復も遅く,肺炎,菌血症などの感染症を発生しやすいため,その発生予防は新たな課題である.
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