今月の主題 血小板の臨床
抗血小板剤
抗血小板剤の薬理
日高 弘義
1
Hiroyoshi Hidaka
1
1三重大学医学部・薬理学教室
pp.1710-1711
発行日 1983年10月10日
Published Date 1983/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218473
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抗血小板剤とはin vivoで血小板の凝集反応を抑制する薬物をいうが,薬理学的研究はin vitroのデータによるものがほとんどである.in vivoで効果があってもin vitroでは抗血小板作用を示さない薬物も存在するが,これらの薬物の作用機序をしらべることは大変難しい.本稿では少なくともin vitroで抗血小板作用を示す薬物を中心に述べる.
抗血小板剤を薬理学的に分類すると,①血小板膜に作用してレセプターと拮抗(antagonize)する薬物,②膜に伝えられた刺激を血小板内に伝達するセカンドメッセンジャーに影響を及ぼす薬物,③血小板内の機能蛋白系に影響を及ぼす薬物の3つに大きく分類することができる.主要な抗血小板剤を分類し(表),薬物の特質と作用機序を解説する.
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