境界領域 転科のタイミング
閉塞性黄疸
高田 忠敬
1
Tadahiro Takada
1
1帝京大学医学部・第1外科
pp.1016-1020
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218320
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胆石や腫瘍などによる肝外胆管の機械的閉塞によって発生する閉塞性黄疸(すなわち外科的黄疸)は,本質的には腸管のイレウスと同じく胆管のイレウスともいうべき病態であり,緊急外科的疾患として扱われるべきものである.しかしながら,外科的黄疸の初期には激しい症状を呈することが少なく,また臨床経過や生化学検査などでは肝内胆汁うっ滞性黄疸との鑑別が困難で,しばしば長期間経過観察され,一般状態の悪化をみてから初めて外科的黄疸としての検索や対策がとられる症例が多々ある1).なかには手術時期を失してしまう症例も存在し,そこに今回の「内科から外科への転科のタイミング」という問題提起がなされたものと思われる.本稿では,閉塞性黄疸に対する最近の診断治療の動向について述べてみたい.
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