講座 コンピュータの使い方・11
病院内の各部門におけるコンピュータ利用の動向—コンピュータの選び方と病院内各部門の利用の可能性と将来
坂部 長正
1,2
,
三宅 浩之
3
Nagamasa Sakabe
1,2
,
Hiroshi Miyake
3
1中央鉄道病院・医療システム開発室
2国鉄本社・情報システム部
3関東逓信病院医用情報研究所・電子応用医学研究部
pp.1045-1051
発行日 1983年6月10日
Published Date 1983/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218326
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このシリーズは,医療の中でコンピュータを使用する具体的な例について解説するために企画されたものである.この便利な道具を実際に医師に使ってもらうためにはどうすればよいかが話題の中心である.そのためには,実例をわかりやすく解説するのも一方法で,これまでに多くの執筆者からいろいろの例示が出されてきた.しかし結論的にいえば,コンピュータを使う必然性が生じてくれば自然に使われてゆくものであって,指導するとか教えるとかいうものではない.確かに10年前は,コンピュータを使うというと何か特別の準備や技術が必要で,部屋一つにしてもかなりのスペースと,常時23°±1℃というような設備を要求された.しかし,最近のコンピュータはそれほど厳重な条件を作らなくとも,通常の生活環境で空調が行われている部屋があれば使えるようになってきた.もちろん,コンピュータ・センターとして,専任のエンジニアが常駐し操作するという大規模なものは相変わらず存在し,それはそれでより厳しい条件で運転されているのだが,幸いなことに医療の中ではいまのところ複雑な科学技術計算や画像データ処理のためのスーパー・コンピュータのように,1秒間に107回以上の演算(10メガFLOPS)を必要とする例は少ない.大部分はミニ・コンピュータ,パーソナル・コンピュータで十分である.
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