今月の主題 内科医に必要な泌尿器科の知識
泌尿器科最近の動向
石神 襄次
1
Joji Ishigami
1
1神戸大学医学部・泌尿器科
pp.2470-2471
発行日 1982年12月10日
Published Date 1982/12/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218053
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主題にはいる前に,泌尿器科専門医として一般臨床家の方々にぜひお願いしておきたい点を述べる.泌尿器科に対する認識は最近かなり高められたとはいえ,日常の臨床経験からみるとまだまだ満促すべき域に達してはいない.「どうしていままで放っておいたのですか」という質問に,「いや,症状のあることは自覚していましたが,痛みもないのでその都度近所の先生からお薬をもらっていました.しかしあまりすっきりしませんので……」との返事がかえってくることも少なくない.しかも,これらの患者が,全摘除術を必要とする膀胱腫瘍や,すでに遠隔性転移の認められるその他の尿路性器の悪性腫瘍である場合もしばしば経験している.学生の講義においても,「諸君に泌尿器科学の高度の専門的な知識や技術までは要求しない.しかし,どのような症状,所見があれば,泌尿器科的検索を必要とするのか,また推測される疾患の予後はどうであるかは正確に理解してほしい」と述べることにしている.
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