今月の主題 高血圧症—今日の知識
高血圧症と画像診断
心エコー
村松 準
1
,
上嶋 十郎
1
Jun Muramatsu
1
,
Juro Kamijima
1
1北里大学医学部・内科
pp.1968-1972
発行日 1982年11月10日
Published Date 1982/11/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218005
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心エコー図は,現在,循環器疾患の診断に不可欠な検査法の1つになっている.心エコー図検査は,心臓の形態学的および動的異常性の診断とともに,心機能の評価にも有用である,とくに,最近では心エコー断層法が用いられ,心奇形,または粘液腫,さらに心腔内血栓などの診断とともに,心内膣または壁厚の変化,および心収縮様式の評価などに応用されている.
高血圧における心エコー図所見は,多くが非特異的である.しかし,高血圧の病期または病態を反映した種々の所見が認められ,心機能も含めた病態診断に応用されている.すなわち,高血圧における圧負荷病態の増強に伴う二次的な自由壁および中隔壁厚の増大と運動様式の変化,大血管,心房,および心室内膣の変化,ならびに弁運動の異常など,形態学的および機能的異常性が,背景にある心・循環力学的変化に対応して,多彩な変化として示される.したがって,臨床上,高血圧における病態診断に有用であると思われる.
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