今月の主題 腎疾患診療のトピックス
その他の治療法
慢性腎不全に対する食事療法と管理
阿部 裕
1
,
安東 明夫
2
,
三上 裕司
2
,
藤井 正満
2
Hiroshi Abe
1
,
Akio Andoh
2
,
Hiroshi Mikami
2
,
Masamitsu Fujii
2
1大阪大学医学部・第1内科
2大阪大学医学部・内科
pp.1620-1621
発行日 1982年9月10日
Published Date 1982/9/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217927
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腎不全とは,原因となる基礎疾患や種類に関係なく,腎機能の極度な低下により体液恒常性維持が不可能となった病態で,その発症のしかたにより急性と慢性を分かつ.慢性腎不全は,当然,腎疾患の慢性の経過によって生じるもので,その治療大綱は次の5点にある.すなわち,①体外からの負荷量の調節,②腎不全進行・増悪因子の除去,③合併した他臓器症状への対症療法,④人工臓器による内部環境の積極的是正,⑤臓器移植である.
保存的管理下の慢性腎不全患者では食事療法が中心となり,その主目的は大綱の①であるが,他の治療目的の成否を左右する重要な因子でもある.また,最近では病態栄養学的見地から食事療法の重要性が指摘されているが,本稿ではこの病態栄養学的にみた腎不全の特性を述べ,これを食事療法の指針としたい.
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