今月の主題 実地医に必要な臨床検査のベース
薬剤による影響
尿検査への影響
林 康之
1
Yasuyuki Hayashi
1
1順天堂大学医学部・臨床病理学
pp.1444-1445
発行日 1982年8月10日
Published Date 1982/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217888
- 有料閲覧
- 文献概要
日常検査のうち,尿検査は薬剤混入による影響を最も受けやすい.投与薬剤は吸収されて全身組織に拡散し,主として尿中へ濃縮された形で排出される.薬剤の血中濃度は希釈拡散後には1gが細胞外液に均等化したとしても血中濃度は102μg/mlであるが,尿中では10mg/ml濃度に上昇しうる.この尿中薬剤濃度の高いことと,薬剤の代謝産物を含めて排出されることが尿検査を妨害する原因である.尿検査の妨害は,判定不能,偽陽性,偽陰性の結果で示され,真値または正しい成績の得られない直接妨害と,薬剤の副作用の結果予期しない検査成績を認める間接妨害とがある.
Copyright © 1982, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.