今月の主題 腎疾患—早期診断から管理まで
検査の手順
尿沈渣
林 康之
1
Yasuyuki Hayashi
1
1順天堂大学医学部・臨床病理学
pp.400-401
発行日 1984年3月10日
Published Date 1984/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402218927
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尿沈渣鏡検はベッドサイドテストである.採尿直後に尿定性試験紙を利用すると同時に沈渣も鏡検すべき検査項目である.鏡検による判定は慣れであって,決定できない細胞は結局のところ誰れにも判断つかぬものである.日常診療の片手間に鏡検をくりかえしていれば,外界からの混入物にしても,その診療所あるいは外来,病棟に特有のものであったりする.また,沈渣鏡検は形態分析であり,一種の探しもの的要素が強い.ということは,診療し,患者の訴えを聞いた医師が疑いを持って目的物を発見するために払う努力と,検査室で義務的に観察するのと,どちらが目的物発見の確率が高いかである.無論,前者に見落し,過誤は少ない道理である.また尿沈渣鏡検がベッドサイドで行われることにより,即座に得られる情報の価値は,翌日得られた同一情報よりは遙かに高い.以下技術的な簡易法を含めて検査手技を紹介し結果の評価を記す.
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