今月の主題 血清リポ蛋白の異常
リポ蛋白をめぐるトピックス
脚気(様)症候群と過酸化脂質
木畑 正義
1
Masayoshi Kibata
1
1国立療養所南岡山病院
pp.864-865
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217760
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過去の疾患とされた脚気が,昭和48年頃より再び全国的に発生していることが注目されている.この新しい発生ははじめ,下腿浮腫を伴う若年性多発性神経炎とか,心拡大,高度浮腫を伴う急性多発神経炎などと呼ばれ,脚気様症候群とも呼ばれたが,ビタミンB1欠乏による脚気と断定された(井形ら,高橋ら).
脚気症候群の主な症状は,多発神経炎として下肢浮腫,腓腹筋握痛,腱反射消失をはじめ,重症では視神経炎や口囲のしびれをみる.循環器症状として心拡大(とくに右室),心拍出量増大,最低血圧低下とともに下腿または全身に浮腫を呈し,脚気衝心にて死亡することもあるといわれている.
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