今月の主題 血清リポ蛋白の異常
リポ蛋白異常と各種疾患
脳梗塞
村井 淳志
1
Atsushi Murai
1
1京都大学医学部・老年科
pp.830-831
発行日 1982年5月10日
Published Date 1982/5/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217748
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脳梗塞には,大きく分けて穿通枝梗塞と皮質枝梗塞がある.穿通枝梗塞は細い穿通枝動脈の血漿性動脈壊死(細動脈硬化)を基盤にして起こり,高血圧と最も密接な関係がある.一方,皮質枝梗塞は太い皮質枝動脈のアテローム硬化を基盤にして起こり,リポ蛋白異常と密接な関係がある.脳梗塞の症状,予後,治療が両者で異なっているので,この分類は有用であるが,とくに成因を考える場合には,両者を区別して検討しないと結論を誤るおそれがある.母集団中に占める両者の割合が,国により,地方によって異なるからである.
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