今月の主題 脳循環の基礎と臨床
脳循環障害の成因と病態
皮質枝系と穿通枝系梗塞の成因
村井 淳志
2
,
亀山 正邦
1
Atsushi MURAI
2
,
Masakuni KAMEYAMA
1
1京都大学医学部
2京都大学医学部・老年病学
pp.1706-1707
発行日 1981年10月10日
Published Date 1981/10/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217352
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脳卒中とよばれる病態には多数の疾患が含まれていて,これを臨床的に鑑別することは,これまで容易ではなかった.脳卒中の成因を解明するためになされた疫学調査でも,剖検例を除けば出血か梗塞かの診断でさえ確実であったとはいいがたい.それゆえまず脳出血と脳梗塞のリスク要因を明らかにすることが,当面の課題であった.CTが臨床に導入されて以来,脳卒中の診断は容易かつ確実になった.また個々の症例で,リスク要因が常に同程度作用するわけではない.われわれは脳梗塞について,これを動脈の病変部位によって分類し,リスク要因を検討した.その結果このような分類が,脳梗塞の成因を解明するために有用であることが明らかになった.
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