臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
後頭蓋窩腫瘍
脳実質外性腫瘍—クモ膜嚢胞と類表皮腫(Arachnoid Cyst and Epidermoid)
pp.2076
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217443
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橋前槽や小脳橋角槽にクモ膜嚢胞あるいは類表皮腫が生ずることがある(図7).いずれも比較的辺縁のり明瞭な低吸収値陰影で,まったく増強効果を示さないことから鑑別困難なことが少なくないが,これも先に述べたMetrizamideで脳槽を造影してCTを行うことにより区別しうることがある.すなわち腫瘤の辺縁が不規則な類表皮腫に対しクモ膜嚢胞では平滑で,また,経時的にCTを行うと,脳槽との間に何らかの交通を有するクモ膜嚢胞では徐々に造影されてその吸収値が上昇するのに対し,類表皮腫ではまったく不変であるという相違点が見られる.
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