臨時増刊特集 臨床医のためのCTスキャン
後頭蓋窩腫瘍
脳実質性腫瘍か脳実質外性腫瘍か
pp.2071
発行日 1981年11月20日
Published Date 1981/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217439
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後頭蓋窩に腫瘍が存在することがわかると,次にその質的診断を行うことになる.後頭蓋窩とかぎらず,すべての頭蓋内腫瘍の診断に共通していることであるが,CTの所見はけっして各腫瘍に特異的なものではなく,かなりの部分で類似している点があるので,そのパターンの上のみから質的診断を試みることは困難である.むしろ腫瘍の局在や解剖学的拡がりを詳細に検討することにより,年齢や性別を考慮した上でその部位に好発する腫瘍という観点から組織学的診断がすすむことが多い.
そこで,まず第一に,脳実質性腫瘍(intra-axialtumor)か脳実質外性腫瘍(extra-axial tumor)かを鑑別することが必要となるが,とくに天幕下腫瘍に関しては小児のものはほとんど脳実質性腫瘍で,成人のものは概して脳実質外性腫瘍が多い傾向がみられる.このような点を考慮した上で,さらにCTの所見上,次のような特徴がみられれば脳実質外性腫瘍,そうでなければ脳実質性腫瘍と考えることになる.
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