図解病態のしくみ 消化器疾患・17
胆石(1)—コレステロール結石の発生機序
松枝 啓
1
Kei MATSUEDA
1
1国立病院医療センター・消化器内科
pp.1037-1042
発行日 1981年6月10日
Published Date 1981/6/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217218
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胆石Gallstoneは,大別してコレステロール結石Cholesterol Stonesとビリルビン系結石Pigment Stonesの2つに分類することができる.この2大分類のうち,コレステロール結石は,欧米では最も頻度が高く胆石全体の約70%を占める.一方,ビリルビン系結石はアジアに多く,日本でもかつては,大部分の胆石はビリルビン結石(Calcium Bilirubinate)であった.しかし,最近日本でもコレステロール結石が比較的多くなり,とくに都市におけるコレステロール結石の頻度は急激に増加してきたし,将来さらに増加することが予想される.この増加の原因としては,食生活や生活様式の欧米化が考えられ,病因論と考え合わせて興味深い.
このコレステロール結石の発生機序が最近明らかになり,その発生機序に基づく合理的治療としてケノデオキシコール酸(CDCA)やウルソデオキシコール酸(UDCA)が登場し,胆石症の内科的治療が可能になった.
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