図解・病態のメカニズム 胆道疾患・4
コレステロール胆石症の成因と発生機序
安部井 誠人
1
,
田中 直見
1
1筑波大学臨床医学系消化器内科
pp.353-355
発行日 1999年2月10日
Published Date 1999/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402905924
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近年,食生活の欧米化と高齢化の進展に伴い,わが国のコレステロール(以下,Ch)胆石症は増加し,成人人口の約10%に達するといわれる.医療経済上の観点からも,本疾患の成因の解明と予防が問題となっている.本稿では,Ch胆石症の成因と発生機序を概説する.
Ch胆石の生成は多段階的,多因子的であり,大別して①Ch過飽和胆汁の生成(脂質凝集体のCh溶解度を超えて胆汁に存在する),②Ch結晶析出動態の亢進(過飽和状態から結晶が析出する速度が速い),③胆嚢クリアランスの低下(脂質凝集体やCh結晶が胆嚢内に停滞する)の3条件が関与する1〜3).
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