今月の主題 臨床栄養学—最近の進歩
今日における食事療法
腸疾患
安部井 徹
1
Toru ABEI
1
1東邦大学医学部・第2内科
pp.594-595
発行日 1981年4月10日
Published Date 1981/4/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217110
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腸疾患には,急性や慢性の炎症性疾患,新生物,潰瘍,機能異常,奇形など種々の病態がある.一方,腸管は食事ときわめて密接な関係にある.したがって,これらの病態それぞれに適した食事療法がきめ細かに研究され,合理的な内容となるべきであるが,腸疾患それぞれの病理学的変化がかなり詳細に理解されているにもかかわらず,個々の病態における腸の機能的変化については,まだほとんど理解されていない.そのために腸疾患における食事療法は,進歩の最も遅れた分野のひとつであり,いまだに古い因襲にしたがって,漫然と行われているのである.
本稿では,個々の疾患について行われてきた食事療法のひとつひとつを解説することはやめて,いくつかの問題点をあげ,今後の展望を述べるにとどめたい.
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