今月の主題 肺癌—最近の知識
肺癌の組織分類
林 豊
1
,
君塚 五郎
1
Yutaka HAYASHI
1
,
Goro KIMIZUKA
1
1千葉大学医学部肺癌研究施設・病理研究部
pp.365-369
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217061
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肺癌の組織分類について,かつて,日本肺癌学会でつくられた詳細な基準があったが,10年を経てそれを再び共通の語とするために再検討が行われ,一応の申し合わせが作られた.その細則についてはすでに報告され1,2),内容の解説3)も別に述べられている.改正の基本方針は,容易に利用できる平易なものとすること,国内はもちろん,国際的にも研究協力を行いやすい分類とするよう配慮することであった.以下,改正された分類について要点を述べ,最近の欧米の分類,とくにWHOの改正分類(1978)4),WP-L分類(1973)5)との関係もみたいと思う.
分類は表に示す通りである.肺癌は11の組織型(type)に分類され,さらに亜型(subtype)に分けられている.それらのうち,分化の程度に差異がみられる組織型では,その程度を,高,中,および低分化に区別する.分化度は,症例の予後とかなり密接な関係をもつものである6).
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