今月の主題 肺癌—最近の知識
肺癌の疫学
平山 雄
1
Takeshi HIRAYAMA
1
1国立がんセンター研究所・疫学部
pp.362-364
発行日 1981年3月10日
Published Date 1981/3/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217060
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実態
肺癌は,その激増傾向からして癌の中で最も公衆衛生の立場から重要な疾患であり,臨床癌学,予防癌学の立場から活発な研究が行われている.
1979年の全国肺癌死亡数は19,923で,胃癌についで多く,男14,600,女5,323と男に2.7倍以上多い.1947年には肺癌死亡数は全国で768人であったから,実に26倍の増加である.その激増傾向は年齢訂正死亡率でみても明らかである.人口10万対年齢訂正死亡率は1950年男1.9,女0.8,1960年男6.6,女2.8,1970年男10.5,女4.2そして1978年男14.2,女5.3と増加の一途をたどっている.その増加傾向は全国各地の癌登録でも認められており,単に死亡数だけでなく患者数もまったく同様に増加している.
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