特集 末期肺癌患者とのかかわり方を考える
肺癌の急増原因とその予防
平山 雄
1
1国立がんセンター研究所疫学部
pp.1347-1353
発行日 1984年12月1日
Published Date 1984/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1661920945
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急増する肺癌
1983年,日本における肺癌の死亡数は2万5647名であった.全癌の死亡数は17万6174名であったから,その約15%である.最も多いのは胃癌で4万9357であったので、胃癌と肺癌の死亡数の比率は1.9:1となる.この比率は戦争直後に30:1であったことを考慮すれば,胃癌の減少とともに,いかに肺癌が増加したかがわかる.かつては肺結核と肺癌の死亡がやがて交差すると予測していたが,現在では肺癌の方がはるかに多くなり,年々その差がどんどん大きくなっている.そして間もなく肺癌は胃癌と交差するようになるであろう.
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