臨床講座=癌化学療法
癌化学療法の理論的背景
藤本 修一
1
,
小川 一誠
1
Shuichi FUJIMOTO
1
,
Makoto OGAWA
1
1癌研・癌化学療法センター臨床部
pp.293-297
発行日 1981年2月10日
Published Date 1981/2/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217049
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はじめに
前稿では抗癌剤の生い立ちについて記述したが,本稿では,そのようにして見いだされた抗癌剤が,どのような作用機作を持ち,その性質が癌化学療法において,どのように利用されているか,換言すれば,癌化学療法の理論的背景について記述したい.しかし,生化学,細胞力学(cytokinetics),薬理学,毒性学などの多岐にわたる学問から成り立つ癌化学療法を詳述するには,紙数が限られているため本報では,それらの概略に触れるにとどめたい.抗癌剤の作用機作について記述するにはcytokineticsに関しての理解が重要と思われるため,まずこのことから記述する.
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