臨床講座=癌化学療法
胃癌の化学療法
名倉 英一
1
,
小川 一誠
2
Eiichi NAKURA
1
,
Makoto OGAWA
2
1癌研究会附属病院・化学療法科
2癌化学療法センター臨床部
pp.1282-1285
発行日 1980年8月10日
Published Date 1980/8/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216649
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はじめに
本邦の胃癌の死亡率は1960年頃より減少傾向にあるとはいえ,1977年には人口各10万人に対して男34人,女22人の人が胃癌で死亡しており,依然として癌死亡総数の約3分の1を占めている1).また現在,早期胃癌においては手術後の5年生存率はいずれの施設でも90%以上で対照人口の5年生存率と比較するとほぼ治癒といえる水準に達している.よって,胃癌撲滅のためには早期胃癌の発見が最も大切である.しかし,われわれが日常経験する胃癌患者の大部分は手術不能の進行胃癌または術後再発した症例であることもまた事実であり,そのため化学療法の担う役割は非常に重要である.本稿では進行胃癌に対する化学療法の現況に関して簡略に記述したい.
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