臨床講座=癌化学療法
抗癌剤の生い立ち
藤本 修一
1
,
小川 一誠
1
Shuich FUJIMOTO
1
,
Makoto OGAWA
1
1癌研・癌化学療法センター臨床部
pp.109-113
発行日 1981年1月10日
Published Date 1981/1/10
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402217009
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癌化学療法の発展の歴史は,抗癌剤の発見の歴史でもある.表1に示すごとく,1946年にGilmanら1)が慢性白血病および悪性リンパ腫に対するnitrogen mustardの有効性を最初に報告し,続いて1948年にFarberら2)が葉酸拮抗物質amino-pterin(methotrexateはこの誘導体)を用いて小児の急性白血病で寛解導入に成功して以来,癌の化学療法の歴史が始まったと考えられる.
その後,主な抗癌剤だけをあげても,1950年代には6種の,1960年代には実に18種の臨床上有用な薬剤が開発され,それとともに一部の悪性腫瘍では治癒も望めるようになってきた3).
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