臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIV.女性性器疾患
子癇 VS クモ膜下出血
中山 道男
1
Micbio NAKAYAMA
1
1熊本大学医学部・産婦人科
pp.2156-2157
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216919
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なぜ鑑別が問題となるか
子痛は妊娠中毒症(以下中毒症と略)のなかでも重症かつ特殊な症状を合併する疾患である.すなわち浮腫,蛋白尿,高血圧の,いわゆる中毒症の三大症状のほかに,突然意識が喪失し,同時に全身の痙攣を突発する急性疾患である.
一方,クモ膜下出血は脳動脈瘤や脳動静脈奇形などの原因により種々の程度にクモ膜下出血を突発する脳血管障害の疾患である.この両者はいずれも頭痛,意識障害,痙攣,血圧上昇など脳症状を主として,しかも急速に発症するhigh riskの疾患ということで共通する.
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