臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIV.女性性器疾患
妊娠中毒症 VS 慢性腎炎
福田 透
1
,
平林 稔之
1
Tohru FUKUDA
1
,
Toshiyuki HIRABAYASHI
1
1信州大学医学部・産婦人科
pp.2154-2155
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216918
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妊娠はreproductive biologyの面からは確かに生理的現象であるが,しかし妊婦では内分泌,代謝,循環,免疫など多方面にわたり非妊時と異なる動態が惹起されている.一般に妊娠週数とともに変化は強まるが,その対応が不十分な場合には必然的に各種の異常の発生につながる.中毒症はその最も代表的な異常のひとつであるが,本態に関しては今日もなお不明の点が多い."学説の疾患"といわれるように定義,診断,ひいては治療面などに,なお多くの問題点のあることを認めざるをえない.
今回は現在までの種々の報告や経験例などを参考として,中毒症と慢性腎炎に関する諸事項の対比表を一応表示するとともに,筆者らの考えの一端にっき略述する.
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