臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIV.女性性器疾患
更年期障害 VS メニエール症候群
一条 元彦
1
,
平岡 克忠
1
Motohiko ICHIJO
1
,
Katsutada HIRAOKA
1
1奈良県立医科大学・産婦人科
pp.2158-2159
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216920
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なぜ鑑別が問題となるか
更年期障害とは,生殖期(成熟期)より生殖不能期(老年期)への移行期における不定愁訴を主とする障害である.内分泌面では,エストロゲン優位からアンドロゲン優位への過渡期に相当しており,視床下部機能の低下,卵巣機能の低下に起因している.早発症状としては,ほてり,発汗,萎縮性腔炎が主であり,晩発症状は末梢器官・組織の代謝性変化によるもので,膀胱機能障害などがある。そして,環境因子,性格因子が関与していると考えられている.一方,メニエール症候群は,内リンパ水腫が主病変であり,リンパ腔内圧の上昇により耳鳴,難聴があり,ついにはめまいが起こる症候群である.両者の発生因子として,自律神経失調が共通しており,また症状として,めまいがみられるため鑑別を要する.
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