臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIV.女性性器疾患
子宮外妊娠 VS 急性虫垂炎
服部 一志
1
,
浜田 宏
1
Kazushi HATTORI
1
,
Hiroshi HAMADA
1
1聖マリアンナ医科大学・産婦人科
pp.2152-2153
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216917
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なぜ鑑別が問題となるか
両者とも下腹痛を主訴とし,緊急の開腹術を必要とする場合が多い.また,虫垂炎の好発年齢である20歳代は,妊娠の頻度も高い.
虫垂炎を疑って開腹した場合の正診率を100%にしようとすると,重篤になるまで待たねばならない症例が増すことになり,臨床的には75%程度で十分と思われる.子宮外妊娠においても流産との鑑別が必要であり,腹腔内に大量出血があったり,腹膜炎を起こし,重篤になれば診断も容易であるが,比較的初期に急性腹症として開腹するか否かを早急に判断せねばならないため,それに先立って両者の鑑別が重要になってくる.さらに卵巣嚢腫茎捻転や付属器炎との鑑別も診断上の問題点である.
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