臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIII.皮膚疾患
掌踪膿庖症 VS 手足湿疹
高橋 伸也
1
Shin-ya TAKAHASHI
1
1秋田大学医学部・皮膚科
pp.2140-2141
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216912
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なぜ鑑別が問題となるか
アレルギー素因に基づく外因性疾患である手足湿疹と,真の原因は不明であるが,内因性疾患(病巣感染説,自己免疫説など)と推測されている掌蹠膿疱症とは,本質的に異なる疾患ではあるが,臨床的類似点が少なくない.ともに成人に多くみられ,表皮を主たる反応の場とする浸出性炎症性疾患で小水疱あるいは膿疱を原発疹とし,臨床像に多様性を認め,治療に抵抗して難治,慢性経過の後に落屑性角化紅斑病変を形成する、局所の安静と治療によって治癒可能な手足湿疹と,諸種の治療に頑固に抵抗するが,長い経過をもって自然治癒する掌蹠膿疱症とは,治療方針をたて,予後の判定をくだす上で,はっきりと鑑別されねばならない.
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