臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIII.皮膚疾患
菌状息肉症または局面性類乾癬 VS 乾癬
森 俊二
1
Shunji MORI
1
1岐阜大学医学部・皮膚科
pp.2138-2139
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216911
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なぜ鑑別が問題となるか
菌状息肉症mycosis fungoidesは稀な病気で,皮疹で始まりついには諸臓器に病変を生じて死亡するに到る予後の悪い疾患である.cutaneous T-celllymphornaの名でも呼ばれるT細胞系のリンパ腫であり,前息肉期,浸潤期さらに腫瘍期へと進展する.前息肉期の皮膚病変は一見湿疹などの炎症性疾患と区別がつかない.
局面性類乾癬parapsoriasis en plaques(以下Pa)は慢性で,角質増殖や鱗屑を伴う紅斑を特徴とする炎症性角化症に分類されているが,長い経過を辿って10%足らずの例では菌状息肉症になることが知られており,菌状息肉症の前息肉期の皮膚症状を示している疾患とも考えられる.
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