臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIII.皮膚疾患
皮膚アレルギー性血管炎 VS 結節性動脈周囲炎
堀 嘉昭
1
Yoshiaki HORI
1
1東京大学医学部分院・皮膚科
pp.2128-2129
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216906
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はじめに
1866年,KussmaulおよびMaierが,発熱,衰弱,筋肉痛,腹痛,知覚障害,頻脈,血尿,蛋白尿を呈し,数カ月で死亡した若い男子例を報告したのが結節性動脈周囲炎(古典的periarteritisnodosa)の第1例である.しかし,その後Zeekが壊死性血管炎necrotizing angiitisとして,病理組織学的に,①小動脈,小静脈の血管壁のフィブリノイド変化,②好中球の浸潤と好中球の核の破壊および,時に赤血球の遊出を呈する血管の病変を認める場合を表1のごとく総括した.
この場合の組織反応はArthus型の反応,すなわち第III型のアレルギー反応に一致するもので,血管壁へのimmune colnplexの沈着と好中球の浸潤で説明されようが,実際にimmune complex,とくに抗原が明らかになることは稀である3).
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