臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
XIII.皮膚疾患
アナフィラキトイド紫斑 VS 血小板減少性紫斑
西川 武二
1
Takeji NISHIKAWA
1
1慶応義塾大学医学部・皮膚科
pp.2126-2127
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216905
- 有料閲覧
- 文献概要
なぜ鑑別が問題となるか
アナフィラキトイド紫斑は血管壁の障害に由来する紫斑で,病巣感染・食餌・薬剤などによるIII型アレルギーと説明されている.血小板減少性紫斑は,本態不明(おそらくは自己免疫性)の血小板減少による紫斑である.したがって,発疹はいずれも皮下の出血という点で共通するが,本態的には異なるので,検査の進め方,治療方針を確立する上で両者の鑑別は重要である.なお,アナフィラキトイド紫斑は皮膚症状だけ(単純性紫斑),関節症状を伴うもの(リウマチ性紫斑)および胃腸症状を伴うもの(腸性紫斑)の3型に分けられる.また血小板減少性紫斑の診断に際しては,薬剤・急性感染症・膠原病(SLE)・血液疾患・血管腫(カサバッハ・メリット症候群)などによる2次的な血小板減少による紫斑を除外することが必要である.
Copyright © 1980, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.