臨時増刊特集 これだけは知っておきたい診断のポイント
VI.代謝・栄養障害
肥満の糖代謝異常 VS 肥満型一次性糖尿病
片岡 邦三
1
,
丸山 博
1
Kunizo KATAOKN
1
,
Hiroshi MARUYAMA
1
1慶応義塾大学医学部・内科
pp.1982-1983
発行日 1980年11月20日
Published Date 1980/11/20
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1402216841
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なぜ鑑別が問題となるか
一次性糖尿病はインスリン依存性糖尿病(ID-DM,Type I)と非インスリン依存性糖尿病(NI-DDM,Type II)の二型に分類され,後者はさらに非肥満型と肥満型に区別されている1).このうち肥満型のインスリン非依存性糖尿病と肥満の糖代謝異常との鑑別が問題となる.つまり肥満者のブドウ糖負荷試験(OGTT)で明らかに糖尿病型血糖曲線を示したとしても,ただちに一次性糖尿病と診断することはなかなかむずかしい.肥満を治療すれば耐糖能は改善するが,正常化するものとしないものがある.本来一回のGTTの結果で糖尿病と診断するにはよほどの勇気が必要で,治療経過をみて黒白をつけることが望ましい.
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